毎日がお遍路

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2004年南房総フラワーマーチ  参加レポート 

■イントロダクション

ウォーキングをはじめたばかりの1月ごろ、
3月に千葉で「南房総フラワーマーチ」なる大会がある
ことを知り、参加したいと思った。

そもそも「南房総フラワーマーチ」とはなんぞや?

全国(いや世界中)のいろいろなところで一年中、
ウォーキングの大会が開催されている。
そういう大会のひとつが「南房総フラワーマーチ」。

大会といっても順位を競うわけでもない、ただ、
歩くだけだ(笑)

2日間のうち5Km、12Km、20Km、40Kmとコースの
どれかひとつに参加してもよいし、たとえば、
1日目に20Km、2日目は40Kmと自分の体調や都合に
あわせてくみあわせてもよい。
http://chikura.awa.or.jp/flower_merch/


私は20Km(1日だけ)に挑戦することをさしあたっての
目標とした。

トレーニングで、5Km、10Kmまでは順調に歩く距離を増やして
いったが、その後、風邪をひいて2週間ストップしたままで、
結局「20Km」を一度も練習しないまま本番の日を迎えてしまった。


■当日の朝―この期に及んで参加を迷う

--会場は千葉・千倉だが、前日と当日は私は浜金谷というところ
に宿をとっていた。浜金谷から千倉までは電車で40分ほど。--

さて、いよいよフラワーマーチ当日。
6:00に目覚ましをセットしていたが、5:30には勝手に目がさめた。

宿の朝食は断ってある。買っておいたパンが朝食。

前日からなぜか「ふくらはぎ」がとても痛い。今にもつりそう。
歩く前からこんな状態で20Kmも歩けるのかとても不安。
現地でエントリーするので、このまま行かないということも
できるし、5Kmか12Kmにレベルダウンすることもできる。

頭の中で悪魔と天使が戦っている。
「そんな足で途中で歩けなくなったらどうするの?」
「せっかくここまで来たんだもん。歩かなくちゃ!」
「無理して体を壊したら元も子もないよ」
「何のために今までがんばってきたの?弱虫!」
ぐるぐるぐる〜〜@@@

マメ防止のため足にテーピングをする。
やり方は先日Oさんに伝授してもらったのだが、自分でやって
みるのは初めて。寝起きで手に力がはいらないこともあり、
まず、手でテープを切ることがうまくできない。
旅先なのでハサミもない。
私って。。。ブキ(不器用)??
そうこうするうちにでかける時間が迫ってくる。焦る。

“テープが切れない”

ん?? 

テープが切れない = ゴールにたどりつけない

なんか縁起悪いぞ(苦笑;)
これって、歩くなってこと??

でも、ソーイングセットに小さいハサミが入っていたことを
トートツに思い出し、難を逃れる。

「ああ、神様、やっぱり歩けってことですねっ!!」
と解釈(笑)

なんとか身支度を整えて、7:00に宿を出る。
宿は高台にあって、下りて行く道からは海が見渡せた。
天気も良く、朝の空気は清々しく、不安は一気に吹き飛び、
ワクワクしてくる。

宿から駅まで20分程歩く。
ここを歩いてみて、ふくらはぎの足の痛みがあまり
にひどかったら20Kmは断念して5Kmか12Kmに変更しようと
思っていた。
でも大丈夫そう。歩けそう。歩きたい!!

足の裏のテーピングのほかに、自分の思いつきで、痛い
ふくらはぎのところにもテープを貼ってみた。
これがなかなかいい感じみたい。

■スタートに感激

浜金谷は小さな田舎駅。かわいらしい。
電車は一時間に一本なので、見るからにウォーキング参加者
という人たちがいっぱい。千倉駅でたくさん降りた。

その流れに乗って、中央会場の千倉中学校へ。
受付を済ませ、パンフレットや記念品とかが入った袋を
もらうが、勝手がわからずうろうろしていると、
「8:40から20Kmの方の出発式をやります」とのアナウンス。

20Kmコースは出発時間に幅があるが、いちおう出発式という
のをやるらしい。20Kmコースの参加者(200人くらいか?この大会
全体では3000人ほどの参加者があったそうだ)が並び、開催者や
来賓のあいさつがあり、準備体操があり、緑のジャージ上下の
中学生(?)のブラスバンドの演奏と先導に従って出発!
花火とかも上がっちゃったりして。
左右からスタッフの人たちなどに「いってらっしゃーーい」と
声をかけられる。

こういうのって、気恥ずかしいものだけど、
なんだかその時の私はすごく感動してしまって、
うるうるしてしまった。

『20Kmをもし歩き通せたら感動的だろうな〜』と自分では
思っていたが、歩き通す前に、まず、歩き始めただけで
すごく感動しちゃった!

だって、ここに来る本当に直前まで迷っていたから。

やっぱり来て良かった。参加できてよかった。
うれしい!!!
って思っちゃった。

昔、来たことのある「高家神社」(料理の神様といわれている)
の前を通りすぎて山の方の道へ入る。


■ゼッケンにドラマが

参加者は布のゼッケンを背中につける。
ゼッケンには「どこから来たか」「名前」「何回目の参加か」
「一言コメント」を書く欄がある。

北海道から沖縄まで、本当に全国からこのために人が集って
きていることがわかる。

後ろから歩いてきた人が追い抜きざまに「東京から一人で来た
の〜?」「はじめてで、どうですか?」などと声をかけてくれる。

なるほど、このゼッケンにはこういう役割があるのね。

スタート直後はみんな固まって歩くかんじになって、最初のうちは
同行者とおしゃべりしながら歩いている人も多いが、後になってく
ると、自然に一人一人の距離が離れるし疲れもでてくることもあって
みんなバラバラで黙々と歩く感じになってくる。

そういう中で、このゼッケンのほんの少しの情報が、妙に、
親近感というか連帯感を生む。

書き忘れていましたが、参加者は熟年者が圧倒的多数。
平均年齢60歳という感じ?70歳台の人も多いだろう。
でも20Kmや40Kmに参加するくらいだから、日頃から歩きなれて、
いろんな大会にも何度も参加しているような人たちばかりと
見受けられ、私のように「本当に20Km歩きとおせるだろうか?」
なんてビクビクしているような人はいない。(ように見える)

男性軍のゼッケンにはユニークなものが多かった。

「生涯青春」「今年もまた歩ける幸せ」「歩けるうちが花」
「また友に会えるよろこび!」「自然を大切にしよう!」

その後姿に一人一人のドラマを感じる。
今、元気に歩いている人も、そもそも病気をしたり、病気予防、
健康管理の目的のためにウォーキングを始めたという人も
たくさんいるんだろうと思う。いや、ほとんどそうなのかも
しれないな、とさえ、思った。

だってスポーツが好きで健康で元気だったら、ウォーキング
なんかよりマラソンとか、もっとほかのハードなスポーツを
すると思うもの。

私は、今回のウォーキングの目的は「おへんろ」で、健康
のためというのは二次的な「おまけ」みたいなもの
だけど、命にかかわるような病気をしたことのある身としては

「今年もまた歩ける幸せ」

というコメントには、じ〜んと共感してしまう。


■2回目の休憩ポイント(13.5Km地点)〜

2回目の休憩ポイント(13.5Km地点)では、みなさん
お弁当を広げていたが、私はまたここでカロリー
メイト1袋。何にどう効くのかわかんないけど、
なんだかいいらしいということで買っておいた「アミノ
バイタル」をおまじない的に一袋。

実は朝、お弁当を買う時間がなくてカロリーメイトしか
持っていなかったからこうなったのだが、あまり空腹は
感じなかったし、ここで、どっかり腰を据えてしっかり
ごはんを食べてしまったら、そのあと歩くのがつらく
なりそうな感じがした。

長距離ウォーカーが「歩きながら栄養補給する」という
話も、話にきくと「ええ?」と思うが、実際体験して
みるとそれは理にかなっているような気がした。

気にしていた右足の「ふくらはぎ」の痛みは大丈夫だった
のだが、無意識にそこをかばうように歩いたのか、
左足の付け根のところが10Kmをすぎたあたりから、
すごく痛くなってきた。

15Kmくらいからは、両足の付け根が痛くて、歩き方が
ぎくしゃくしてくる。
ラストスパートは千倉の街の中で、交通量の多い
車道の脇を歩くところもあったりして、
ぼんやり歩けないし、
頭の中は「(ゴールは)まだかなーまだかなー」で
いっぱいになってくる。

20Kmコースといっても実際には23Kmあって、
この最後の3Kmが結構しんどかった。


■感謝のゴール(23Km)

ゴール2:40(スタートが9:00だから5:40歩いた)
校門でスタッフが出迎えてくれる。
スタンプを押してもらい、完歩証とか、バッチとか
お花をもらう。

ゴールしたら、さぞや“感激”するだろうと思っていた
けど、わりと淡々としていた。自分では自覚していな
かったけど、疲れていてそれどころじゃなかったの
かも。スタートしたときの方がずっと感激だった(笑)

自分の弱気と戦って「歩く!」と決めた、決められた
ことが私にとっては大事な瞬間だったんだろう。
そのことが「20Kmを歩いた」という事実以上に、
私にとって大きな自信になった。

23Km歩いた。不安だったけど歩き通せた。

ゴールしたときは「やったーー!!」とか「すごーい」とか
「私ってエライ!」とかってことじゃなくて、
なんだか、何もかもに感謝〜という気持ちでいっぱい。

ここに、この場に来られて、たくさんの人と
「一緒に」歩けたことが、うれしく、ありがたかった。

こういう大会にあちこち参加してまわっている
という人の気持ちもわかる気がした。

歩くだけなら、別に、家の近所でも、好きなときに
好きなだけ歩けばいいんだけど、こういうところに
参加してみんなで歩くってことの楽しさは、
体験してみないとわからないのかも。

お遍路のためのトレーニングの一環、力試しとしての
「ウォーキング大会参加」だったけど、これ自体が
病み付きになっちゃったりして(笑)

ベテランウォーカーの装備(服装、持ち物)なども
いろいろ見られて参考になった。

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