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| 2004年 HANAの「歩き遍路日記」 − 2日目
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| 11月20日(土) | |||||
| 06:00 | 起床 | ||||
| 07:00 | 朝食 | ||||
| 08:00 | 出発 | 海沿いの道を歩きはじめたとたん、ふと、こんな考えが浮かんだ。 私は、自分に体力がないから、いつのまにか“歩くことそのものが、自分にとっての大きなチャレンジ”だという部分にばかり目がいっていた。四国を歩けるようにと、こつこつトレーニングも積んできた。歩くことそのものをひとつの「苦行」のようにとらえていた。けれども、本当は歩くという肉体的な行為そのものが“修行”なのではないのだな。歩くことによって出会う、土地の風景、人、出来事のすべて、出会うことのすべてが全部大事なことなんだな。 |
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車道の脇にベンチがあったので、暑くなってきたし、とりあえずそこで上着を脱ぎ、髪もまとめて体勢をととのえ、「よし、とにかく行って見るか」と歩き出すと、そこに男性のお遍路さんがもう一本の道からひょっこり現れた。ありがたや! その方と26番までの道をご一緒する。千葉・君津の69歳の男性。「うちの主人の実家が四街道なんですよ」というと、きのうまで一緒に歩いていた人も四街道の人でしたよ、とか。 歩くことが好きで、これまで秩父などもまわっているとのこと。でも、四国は特に人が親切で、他の土地とは違う魅力がありますね、というようなことをおっしゃっていた。 |
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| 09:40 | 26番 金剛頂寺 |
信仰心で歩いている方ではないようだけれども、話をしていると、「道に迷っていると必ず誰かが現れて助けてもらえる」とか「老眼鏡を無くしたら、その後に出会った人がたまたま2つ持っていたのでもらった」などのエピソードがつきないようで、「そういうことってありますよねえ」と、話がツーカー通じやすい。 「たぶん、そういうことって、本当は日常の生活の中でも起こっているんでしょけど、人や情報が多すぎる都会の生活の中では、そのことに気づきにくくなっているんでしょうね。四国という土地は、そういうことに気づかせてくれる場所なんでしょうね。」と、私。 朝の札所は空気がすがすがしく、人も少なく居心地がよかったので、私はそのあともしばらくそこにいた。男性は先へ行った。お互い写真をとったけど、名前もきかなかった。 |
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| 10:10 | 26番を出ると、すぐに、いかにも「へんろ道」という感じの静かな山の中の田んぼの中の風景になる。誰もいない。天気もいいし、のどかな感じ。うれしくなってくる。 ところが、しばらくいくと分かれ道で、道しるべも見当たらず、どっちへ行くか迷う。すると、軽トラに乗った夫婦がとおりかかったので道を聞く。 |
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| 11:30 | 防波堤で一休み。少し先に大きな「道の駅」があり、トイレに入る。お昼はここで食べようかとも思っていたのだが、朝しっかり食べたのでお腹も空いていないし、ヨレヨレのへんろ姿で立派なレストランに入るのも気が引けたし、土曜の昼時で混んでるようだったので、売店(というか外にある特産物販売所のようなところ)でいなりずしと巻きすしの入ったパック(300円也)を買う。 朝会ったおじさんと話していて気づいたのだが、私は道に迷うのが怖いので、なるべくわかりやすい大きな道を選んで歩いていたようだ。車道の脇だけどいつも左手に海が見えていたからそれほど苦痛ではなかったけれども、やっぱりなるべく昔のへんろ道を歩くほうがいいんだなと思った。 私は特に「できるだけへんろ道を歩きたい」などというこだわりはなかったけれども、実際、大きな国道の車の通る脇と、静かな山道や古い民家の中の道と両方歩いてみれば、それはもちろん後者の方が心地よいに決まっている。 |
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| 12:30 | 昼食 | でも、荷物をおろし、靴を脱いで休憩して、ご飯を食べると、疲れもとれて元気がでてくる。人間の体ってすごいなあと思う。 疲れると思考もネガティブになり、弱気になってきて、『今日の宿までちゃんとたどりつけるのだろうか』『私ったら、こんなところで何やってるんだろ?』とか、悪いことばかり考えるようになる。でも、休んだり、素晴らしい景色をみたり、見知らぬ人に声かけてもらったり、そんなことで、あっというまにパワーは回復しちゃう。 それにしても、ちょっと暑くてバテる。 このへんから、ひんぱんに小休止するようになる。 |
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| そのあとも国道のルートしかないところで、黙々と舗装道路を歩く。休むところもないので、縁石に腰掛けてスポーツドリンクを飲む。 反対側の歩道を赤いリュックの若い女性のお遍路さんが抜かしていった。そのあとしばらくは、その人の後姿を見ながら歩いていたのだけど、その人はずいぶん歩くのが早くて、ぐんぐん先に行ってしまった。 地図を見ていると、この先、また国道から山道へ入るルートになる。入り口がわかりにくそう。不安になってくる。そこでひらめいた。あの赤いリュックの人に追いついて、ついていけばいいんだ! でもそのときには赤リュックはもう見えなくなっていた。そこから私は慌てて、今までにないハイペースで赤リュックを追いかけ始めた。 山道への入り口は道しるべのおかげで、自力で見つけることができた。すぐに急坂。それにしても赤リュックの人は女性にしてはずいぶん健脚だなあ。ちっとも休まないのかな。などと思いつつ、ガシガシ、はあはあと山道を上っていくと、ちょっと踊り場のようになったところで、若い男性が休んでいるのに出くわす。 「今、女の人が歩いて行きませんでしたか?」というと、見なかったという。でも、あの人じゃなくても、この人がいてくれればいいや、と思って、その後一緒に歩き出す。でも、男性のペースでは私が足手まといになりそうなので、「私は遅いから、先に行ってください」というと、「でも、とりあえず山下りるまでは一緒に行きましょう」と言ってくれた。助かった。 それで、彼の後ろを歩き始めて、やっと気づいたのだけれども、私が勝手に「赤いリュック」=「女性」と思いこんで追いかけていたのは、実はこの人だったのだ。どうりで追いつけないわけだ。 結局その人と、宿の近くまで一緒に歩いた。 私は、午前中のんびりしすぎていたから、「赤リュック」を追いかけて急がなかったら、宿に着く頃は暗くなってしまっていたかもしれない。そして最後の方はもし一人で歩いていたら、かなり疲れも出ていたので、「まだかな〜」「まだかな〜」と悲壮な感じになっていたのかもしれないところを、おしゃべりすることで気がまぎれて、あっという間に宿のある町まで着けてしまった。 |
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| 16:50 | 奈半利 (なはり) |
写真を取り合い、メアドを交換して別れた。 彼はその後、宿までさらに一時間ばかり歩くようだ。 奈半利は国道も近いし電車の駅もあって町っぽいのだが、一歩わき道にはいると、静かな昔ながらの町並み。 地図見てもさっぱり旅館の場所がわかららないので、掃除をしていたおばちゃんにきく。このころになると、もう、道を聞くことが平気になってくる。とにかくめったに人に会わないから、人を見つけたら、これ幸い。さらに裏道へ。 人通りはない細道なんだけど、歩いていると、お店の奥から「○○旅館なら、ここ曲がらんといかん」と声がかかって、無事、たどりつく。 |
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| 17:00 | 旅館着 | 旅館というよりは民宿で、質素ではあるけど、昨日のところにくらべたらずっと綺麗でほっとする。 昨日も今日も私以外はビジネス客男性2人というパターン。慌てて電話で予約したけど、やっぱり今はオフシーズンなのね。 やさしい親戚のおばちゃんという感じのおかみさん。脊髄を痛めて、階段の上り下りがつらいという。 部屋は2階。食事は1階の座敷で食べる。別客とはふすまで仕切ってある。お刺身とうなぎの蒲焼、たっぷりの青菜の白和え、貝の味噌汁など。美味しかった。今日も一泊2食6500円。 部屋はふすまで仕切ってあるだけで、隣の音もつつぬけというのが、どうも落ち着かないけれども、ビジネス客は朝が早いのか、物音もなく早々に寝てしまった。 |
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| 今日は20km以上歩いたが、疲れは昨日より少ない。昨日は夜行バスの寝不足がこたえていた。今日は足は少し痛くなってきているけど、体調はいい。 明日の宿はまだとっていない。どこまで歩くかもまだはっきり決めていない。 どうしようかな〜。でも、そろそろ寝よう。なんとかなるさ。
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| 09:50 | 就寝 | ||||
| (本日の歩行距離:22km) | |||||
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